ずっと探していたけれど、なかなか当たらない。ホストのサンゴはけっこうどのポイントにも見られるし、数だって多い。ひとつひとつ点検していくのは大変だ。だからこいつを見つけるのにはコツがある。それは・・・・・・。
いや、ないね。
そんなものはない。
ありはしないのだ。
いや、このような断定はいかん。あるかもしれない。人にはわからない、チンヨウジの仲間にだけわかるチンヨウジなりの趣向があるのかもしれない。探すには・・・、探すだけだ。ひとつひとつ、サンゴを傷つけないように丁寧に。その方法しか私は知らない。
だから見つけるのは大変時間のかかる作業だった。
見つけたのはいいけれど、この個体の住んでいるアザミサンゴの隙間はとても狭い。お客様もなかなか良い写真が撮れないみたい。でも、観察派のダイバーもいるんだし。ネタとしてはあるにこしたことはない。サンゴ礁のドロップオフの壁。足場もない壁。
そんな壁に張り付いていたアザミサンゴに住んでいました。よく、ここのアザミサンゴを覗いたなーと自分でも思うぐらい。しっかし・・・。
つくづく・・・、いろんな場所にいろんな生物が生きているものだ・・・と実感せざるをえない。海・・・というか、私らが産み落とされたこの惑星はすごいねー。
人として生きているあいだにもっといろいろ見てみたいものです。