もう一週間以上前のことだが、台風1号が発生し北上していた。ココ最近絶好調なジョーフィッシュたちもこの台風で全部いなくなってしまうかも? と危惧した私は時間をやりくりし、1人でふらふらとまたもや海の中に出かけていくのだった。
と、遊びの1ダイブ。勝手気ままに、撮りたいものを撮り。見たいものを見るのだ。
まずはやっぱり多い、今年が多いのか? 例年多いのか? 記憶にあまりない。
砂泥地をのしのし移動しているキヌハダウミウシの仲間。
そのすぐ近くを闊歩していたあなたは!! ヤノルス・サヴィンキンイ。なんて覚えにくい学名に変わってしまったんだ。トゲトゲウミウシのまんまでも良かったのに……。
やっぱり、バックライトで遊びたくなってしまった。ミノのバックライト撮り。
もう一枚。う~ん。やっぱり好きなウミウシだ。今夏も出会えました。よしよし。
卵があったので、よぉ~く、よぉ~~~~く見たら小さいのがいました。小さいし、細いし、上手に撮ってあげられない。もう少し大きくなるまで台風に負けず、ここにいてね。
う~ん。見ていそうで、実は見ていない。そんな趣のあるミドリガイだ。色合いは実に渋い。
テングヘビギンポの顔のアップです。この魚はあんまり逃げない個体が多い気がする。
全身ももちろん撮りたいよね。あれ、尻尾、写ってないし……。
ヒメイカは見つけたら、深追いせず、まずはあきらめましょう。深追いしなければ、そんなに遠くには逃げないはず。すると近くに隠れる場所を見つけて擬態して隠れて乗り切ろうと試みます。
そのときによく見ていないと、またヒメイカを探すところからはじめないとダメなので、どこに逃げ込むかまではヒメイカから目を離さないようにしましょう。
擬態能力に自信を持っているので、そうなってから接近していけば、けっこう逃げずにがんばってくれる個体が多いように思います。
これは「策士、策におぼれる作戦」というか、擬態能力を持つヒメイカであるがゆえに、その能力を発揮させるだけさせて、自信に酔わせながら、近距離にとどめて……撮る!!
そして、砂と泥の混ざったエリアを根城にしているサガミツノメエビにも遭遇。この日は数個体に出会いました。
正面から撮影してもなかなか色のないエビなので、撮影はあまり楽しくない。はさみに色がついているのだが、なかなかはさみは出してくれないし。出たときには飛んでいなくなってしまうことが多い。
なので、ちょっと横から撮ってみた。
目の飛び出ている様子はツノメエビの仲間らしい特徴です。角目、ツノメですからね。
もっと横から撮影してみたら、あら、体にもなんかサイケデリックな模様が入っているんですね。
このエビのサイズは1㎝ぐらいなんですけれど、そのサイズの体をこんなサイケデリック模様でデザインする必要性ってどこにあるんだろうか、創造の神様よ……と、創造の神を信じて感心しても良し。
子孫を残し繁殖するという生命の目標にその模様がどのように寄与しているのか、科学の目で検証してもよし。
どのような視線で生物を楽しむのかは人それぞれ。
私はいろんな人にいろんなパスを出していくのだ。もちろんシュートしてゴールにつながれば私は嬉しいけれど、受け取った人がスルーしても良いし、バックパスで戻すのもよい。パス出しがガイドの仕事の大半なので、よりたくさんの趣向を変えたパスを出せるかがガイドの懐の深さと技だと自覚しているので、さんご礁も泥地も内湾も、河口域も川も。すべての水辺という水辺を自分のフィールドとし、パスを出せるようにこれからもがんばりましょうね。
そんなわけで、こちらのクラゲムシだって、パスのやり方によっては実に興味深いパスに変えられる。なので、パスを受けに遊びにきてね。
おや
明らかに初見のカニだ。模様も初めてだし。サボテングサに隠れている生物はたいてい見てきたけれど、こんな大きなカニが隠れているのは見たことがない。そもそも隠れているのだろうが、カニの体が大きすぎて隠れ切れてないし。
甲羅全体が白色で、目に複数の白いドット模様。実に特徴的だ。でも、見たことないぞ。図鑑にこんなカニの写真あったっけ? 撮影しているときはだいたいいつもそんなことを考えている。
珍しいカニだってことは一目でだいたいわかるぐらいには潜り込んでいますからね。
いっぱい写真撮っちゃった。今度、また会えるかはわからないからね。ベニツケガニ属の一種であろうとFBで教えていただきました。ありがとうございます。
そしてこのウミウシが大発生していました。触手先端が二股、三股に分岐している特長はまさにメリベ・メガセラスですね。
砂地にいっぱいいるのですが、そのまま撮影しても全然ウミウシらしく撮ってあげられません。
ミノが広がったところを……とか、
頭部だけをアップで……とか、いろいろ試行錯誤。1人だし、さんざん熟考して粘ってもいいし、いっぱい撮ったけれど……。
縦位置にもトライしたけれど、やっぱりウミウシらしく撮れない。いや~、難しいです。
そして、トウリンミノウミウシっぽい風貌のこのウミウシ。でも、なんか違和感バリバリ。
頭部にあるはずの赤い模様がないよね、このトウリンミノ。おかしい奴だな~と思いながら撮影。
で、帰ってきてから調べてみたら、ゴディバ・レイチェルアエという学名で図鑑に載っていました。が、生息エリアはインド洋となっている。う~ん、君はゴディバ・レイチェルアエなのか?
貝殻の模様などからコクテンタマゴガイ? と判断しましたが、自信なし。
ミナミホタテウミヘビがいたので、撮影しようと思ったら瞬時に逃げられちゃった。で、逃げた穴を覗いたらエビがいるじゃんっ!!
こんなの初体験ですけれど。
でも、これ以上エビは外に出てこなかったです。お尻しか撮れませんでした。無念。
いつぞやいたササハゼ君、ずいぶん大きくなりました。
FBでサンカクヒシガニの子供では? と教えてもらったカニさん。ネット検索して出てきた画像などを見ると、実にそれっぽいですね。
砂粒をいっぱいつけているようですが、この砂粒、簡単に落ちません。どうやってかためてあるのだろうか?
もう体の一部って感じでした。
そして台風1号が暴れたら、これで最後になるのかな~と思ったので、たくさんいるジョーフィッシュたちにも別れの挨拶を。
縁起の悪いこと言うんじゃねぇ、こらぁ~と怒られちゃいました。
ちょっと前までは子供の個体が多かったのですが、大きいのがちらほら目立つようになりました。大きいのはやっぱり画面いっぱいに撮れるので、楽しいですね~。威嚇もしてくれるし。
台風1号は思ったほど、暴れませんでしたが、どうなったかな? いろいろあって、その後どうなっているかはまだ見にいけていません。みんな元気にしててね~。