2016年を振り返る毎年恒例の企画。スピッツ的生物ランキング。オーナーガイド、世古の独断と偏見がすべてのランキングです。
沖縄本島恩納村のダイビング屋さん&トレッキング屋さんをやっておりますスピッツ世古です。当ブログへお越し頂き、ありがとうございます。
2016年の第1位は「白化したサンゴたち」です。
「すげぇ~」というインパクト絶大な生物との出会いがなかったのかもしれない。と、いうよりかはサンゴの心配ばかりしていた夏だったな~という印象があります。結果的に直撃した台風はゼロ。9月後半から10月にかけて905hpaの猛烈な台風がすぐ横を通過していきましたが、幸運なことに沖縄本島はほとんど被害がありませんでした。
しかし、この頃から徐々に水温が下がり始め、サンゴの白化が止まりかけました。一時は全滅するんじゃないの? と心配していた沖縄本島周辺のサンゴはかなり持ちこたえました。石垣島などの南西諸島の方がダメージは深刻なようです。
撮影した写真で振り返ってみましょう。
まずは盛夏の頃。
恩納村の山田ポイントでは折れたサンゴを針金などで固定し、再生させる事業をやってます。少し底から持ち上げて固定しているのにはメリットが多いからです。雨後に赤土などが流入してもサンゴに堆積しにくいです。底から持ち上げることにより成長できるサンゴが飛躍的に増えたように実感しております。
その美しかったサンゴが白くなりました。8月前半の水温は28度から29度でした。
台風、来ないね~というセリフを海辺でたくさんしゃべった記憶があります。
本当に、荒れない夏だったな~。
夏休みも終わろうか……という月末。いまだ海は荒れず、水温は28~29度のまま。白さが加速していく~……。
折れて固定されたばかりのサンゴも立ちどころに白化。
9月初旬は私、体調を崩してしまい海に潜っていない日々でした。でも、台風は来なかった。9月の中頃から後半にかけては台風ラッシュ。10/3から4にかけて通過した台風は久米島や韓国にかなり被害をもたらしました。
少しずつ海が荒れて、海の水がかき混ざり、浅い場所の水温も少しだけ冷たくなりました。
台風の合間の山田ポイント。白いままのサンゴたちです。
こちらは真栄田岬の通称ツバメ根の先、浅瀬にサンゴが広がっているエリア。ほぼすべてのサンゴが白く変わってしまいました。
真栄田岬が私の見ていた中で1番被害が大きかったです。
山田ポイントの浅瀬のサンゴ、私のログ記録によると水温はいぜんとして28度を記録している。でも、心なしか色の戻っているサンゴが増えているような気がする。
イソギンチャクも色がぬけてしまいしまた。
真栄田岬のサンゴ。本当に白くなってしまった。
そして、時は過ぎ12月。水温は25度まで低下したものの、例年と比較すると少し温かめです。
でも、全体を見渡すと白いサンゴはほとんどありません。
石化してしまったサンゴもほとんど確認できない。
山田ポイントのサンゴはけっこう盛り返してくれました。
真栄田岬、ツバメ根近く、浅瀬のサンゴは大半が石化してしまいました。もったいなかったな~。
でも、被害がこのあたりだけにとどまったので、良かったと解釈するべきか……。
きっとそうなんでしょうね。うん。そう思いますもん。
約20年前の白化に比べればかなりマシで終わりました。
毎年、心配になる事項です。台風が来ないことはうれしいのですが、来なけりゃ来ないで悩みも出てくる。2017年はどうなることやら。