昨日は瀬良垣漁港から出港し、今日は前兼久漁港から。
2日も続けて2月に恩納村で潜れるなんて、超ラッキーです。
1st dive、
1本目は今やサンゴ畑になったポイント。
でも、今回のお客様は特にサンゴ畑には興味ないので、なにか新たな出会いを求めて彷徨ってみました。
ボート下でマダラタルミの子供が3匹もかたまって泳いでいるシーンに遭遇。
いきなり悩むねー
なにを悩むの?
これっていいネタじゃん、マダラタルミの子供か3匹もいるなんて
3匹同時にちゃんと写真に撮るには、けっこう時間がかかるだろう。
お客さんは2人いるから、2人共にきっちりそれを撮ってもらおうと思ったら、そこそこ時間を取ってしまう。
今日はボートダイブなので、潜水時間は45分ほどしかない。
ここでゆっくりしてボート下だけの狭い範囲で1ダイブ終える、プランAが考えられる。
いや、待てよ。そもそも……、お客さんはマダラタルミ子供にそんなに魅力を感じてないかもしれない。それによく見たら、この3匹、もう子供のサイズではない……。若者ぐらいに成長している。マダラタルミの若者に45分を捧げるほど価値があるのか?
ならば、砂地とガレ場に期待を込めて20分ほど徘徊し、早めにボート下に帰ってくるプランBを実行する方が喜ばれるんではないだろうか?
プランBなら、マダラタルミ若者と遊びたいお客さんはエキジット前に遊んでもらえるし。
プランBで行ってみようー
と、いう思考を経てガイドさんは潜っていたりします。
これが正解!! ってのがないので、そのあたりがガイドさんの腕の見せ所ですね。
しかし、結論から書くと、このダイビングではアタリを出せませんでした。
特に何も出せないまま、ボート下まで戻ってきてしまった。
それ、ダメなガイドじゃん
はい。すみません……
でもね、そーいう時もあるよ。なにも探せない時もあるよ。
リピーターさんたちはそーいうのわかってて、特に何もでない時も私を責めてきたりはしないですね。
ありがたやー……。
そして、お客さんが見つけたムラサキウミコチョウをパスしてくれたりもします。
そーいうのって、ガイドとして恥ずかしいの? 自分では何も出せなくて、お客さんの方が見つけていく時って……
たぶん、若いイントラさん、イントラ歴の短い人は自分のことを情けなく思うかもしれないね。
でも、私ぐらい長く水中ガイドやっている人は、全然思わないんじゃないかな。
ちなみに私は水中ガイド歴33年です
また話しが脱線していく……
マクロダイビングには楽しみ方がいろいろあります。
大物狙いじゃなくて、マクロダイビングね。
- 小さい生き物を実際に見る楽しさ
- 小さい生き物を上手に撮影する楽しさ
- 小さい生き物の美しさに気付けた楽しさ
- 小さい生き物を自分で見つけられた時の楽しさ
ダイビング初心者のうちは、ガイドさんが紹介してくれる生き物を見ているのが常だと思うのですが、
やがて自分好みの生き物が出てきて、それらの住処や食べ物、生態などを知っていくと、
今度は自分でもその生き物が見つけられるようになります。
こんな広い海の中で数センチの生き物を自分で見つけられた時の喜びはすごいんでしょうね。
そりゃーお客さん、楽しそうにしておられます。
なので、水中で移動するときもなるべくゆっくり移動します。お客さんが自分でも探しながら移動できるように。
お客さんに呼ばれたら、すぐに集まっちゃうし、今度はそれを他の人にも紹介しちゃう。
自分の見つけたネタが他の人を喜ばせているって、嬉しいもんです。
ガイドとして、そのお手伝いができることは私にとっても喜びなので、私がいつもたどっているコースは、
「何かに高確率で出会えるであろうコース」。
そこをゆっくりと探しているだけですね。
私がたくさん見つける時もあれば、お客さんがたくさん見つける時もある。
チームとして、いろいろ見れたら、いいんじゃない。
話しを戻しましょう
私が撮影したのは、色がきれいなクロヘリイトヒキベラだけでした。
こーいうのは出会うの、運、なので、なかなかお客さんにシェアできないです。
この時も、お客さんはそれぞれで見つけたり、撮影したりされていたので、
呼んでも声は届かず。
お客さんを待っている間に逃亡されました。
クロヘリイトヒキベラなんて、本当にどこにでもいるベラでありふれているんですが、
やる気を出してくれるとこんなにきれいになるんですよねー。
2nd dive
2本目は真栄田岬でした。
エントリー時の水面には小さな軽石の粒が流れてきていました。
いつも定点観察しているマリブビーチから流れてきているんでしょう。
でも、これぐらいならボートにも問題ないし、スキューバダイビングには全然問題ないです。
ウミウシかと思いましたが、触角も出てこなかったし、ほとんど動かなかったので貝の仲間だと思います。
お客さんが見つけたミカドウミウシ子供。
こりゃーかわいい。
ありがとう、お客様!!
そしてこちらは同船したボートのキャプテンから教えてもらったカイカムリの仲間。
言われた場所にピンポイントで鎮座しておられて、とても分かりやすいネタでした。
Y君に敬礼を、感謝。
お、ウミウシ?
いや、貝でした。
いないかなーと探していたら、ビンゴ!!
かわいい奴に出会えました。
通称ピカチューウミウシの子供サイズですね。
これぐらいのサイズが本当にかわいいです。
落ちていたカイメンを何気に拾って見てみたら……、
カンムリハラックサウミウシが入っていました。
現場では老眼で触角のカンムリが見えませんでした。
情けない。
ウミウシかと思ったら、ヒラムシの仲間でした。
3rd dive
3本目も真栄田岬の近くでダイビング。
中層にはグルクマとグルクンが群れていました。
透明度が良くて、クジラがガンガン鳴いてました。
もう3本目なので窒素も溜まっている。明日はお客さんも飛行機に乗るし、浅めで潜ることを提案。
ウミウシを探してみたら、けっこう出てきました。
ウミウシの探し方
私がウミウシを探すときは、あんまり深くに潜らないです。
だいたい1桁の水深。
多いのは、2-5Mぐらいのライン。
なので、3本目に潜るのにはぴったりです。
ウミウシって小さいのが多いです
下の写真の中にウミウシがいるんですが、わかる人いますかね?
ケラマミノウミウシというのがいます。2-3㎝ぐらいですね。
だんだん寄っていくと、見えてきます。
見えました?
ここにいました。
こんな小さいのをデジタルカメラのマクロモードで撮影すると、下の写真のように大きく撮れるわけです。
ウミウシの好きな岩肌
岩からいっぱいいろんなものが生えている場所によくいます。なぜなら、その生えているものがウミウシの食べ物であることが多いからです。
ガヤやフワフワした海草みたいなのがある場所も大好きですね。なんか、素手で触ると刺されそう……ってな場所がお好みです。
ウミウシのあんまりいない岩肌
なにも生えていない、ツルンとした岩肌にはやっぱ少ないです。たくさんいる時には関係なく、ツルンの場所でも見つけられるのですが、少ない時は、食べ物がたくさんある場所でよく見かけます。
岩肌がつるんとしてて、触っても怪我しなさそうな場所はウミウシ、あんまりいません。
そーいう場所を探して行くと、見つかったウミウシたちです。
ネアカミノウミウシは5㎜ぐらいですね。
私は焼き鳥などで使う竹串を使って探しているのですが、その竹串の先端にくっついているネアカミノウミウシです。
左側は私の人差し指です。
こちらも小さかった、キンナミミドリガイ。
個人的に好きなミドリガイです。
今はウミウシシーズンなのですが、今年の恩納村はウミウシの出が悪いように感じました。
軽石は関係ないと思います。