9月に入って1本目のダイビング。緊急事態宣言絶賛継続中なのでお客さんがとても少ない。今日も地元のリピーターさんが遊びに来てくれました。
私も無事に2度のワクチン接種を終えまして、お客様は医療従事者なので早々と終えられている。だから、どうということではないが、ちょっと安心感はある。
まとめ
- 瀬良垣漁港発で2ボートダイブ ⇒ ミニドリームホール、オーバーヘッドロック
- 水温は28-29℃。波なしの最高コンディション
- ミニドリームホール ⇒ 相変わらず深場のハゼに出会えず、1か月前に確認したクロオビスズメダイと再会できる
- オーバーヘッドロック ⇒ 定番のピグミーシーホースとは出会えず。シャコの仲間やフトスジイレズミハゼと遊ぶ
1st dive
1本目はミニドリームホールに潜りました。
朝の一本目なので、当然のようにちと深いほうに行ってみた。
昔に比べたらハゼが減ったように感じる。オキナワサンゴアマダイを遠目に紹介。アケボノハゼいないね。
ハゼは早々にあきらめて岩の近くでなにかを探すが、潜水時間も気になり始めるのでゆっくりとはしてられない。
事前にハゼ場になにもいないと知っていれば最初から岩の近くで別のネタを探すという選択肢もアリだが、なんせ久しぶり。
そんな時は、ハゼ場から攻めるのがセオリー。
だって私はハゼ好きだから。
ハゼがいなけりゃ、ピグミーシーホースやスミレナガハナダイ子供やハナゴンベ子供らを探したい。
が、アカスジカクレエビに気を取られて深場終了。
すでに五十路を越えた身に深場の窒素の過剰摂取はリスク高すぎ、高杉君。
しかし、気になる魚が視界に入る。
この深さで、ネッタイミノカサゴ? ってあり?
過去に深場で出会ったことのあるミズヒキミノカサゴの存在が脳裏をかすめる。
撮影して、写真を見てみると、うんうん。普通のネッタイミノカサゴだね。
ちなみにミズヒキミノカサゴはこんな奴。
えー、どこが違うの? って感じですよね。
図鑑を紐解くと、一番明瞭にわかるのが、ムナビレから伸びている棘の色。
ミズヒキミノカサゴには紅白の色がついて、ネッタイミノカサゴは白色。
ただし、この見分けるポイントもネッタイミノカサゴが成長するにつれて棘に色が出てくると言われていたり、個体差と言われていたり。
新和名はついたけれど、いろいろ問題の多いミズヒキミノカサゴさんです。
浅瀬に戻る前も、いろいろ物色しながら進みます。だって夏の海はどこに美味しいネタが転がっているかわからないからね。
どこを見ても楽しいのが夏の海なのだ。
普通にいるクビアカハゼだってこんなに色を変えて、尻ビレまで全開っす。
尻ビレの色の多様さに気付かせていただいたのは、西表島の矢野さんが作った図鑑日本のハゼです。ハゼに特化した図鑑ですべての掲載種が生態写真で掲載されているのも当時驚きましたが、そのすべての写真のクオリティーが半端なくヒレ全開で、たまげた記憶が今もありありと思いだせます。
まだ見ていない人は、ぜひ見て驚いてくださいね。
小さなクマノミが浮遊して泳いでいたので寄ってみたら、なんと、イソギンチャク、ちっさっ!!
これはかわいい。すぐにお客さんにも紹介。
子供のクマノミ一匹がようやく上に乗れるぐらいの小さなイソギンチャクに定着してしまったこのクマノミ。
もう少し大きい家を探し当てられたら良かったのにねー。
そういえば、1か月前に見たあの子は元気にしているだろうか?
きっともう大人になって……、いやいや、もうどこかにいなくなってしまっているであろう……と思いつつ、現場に行ってみたら、
なんと、まだ同じ場所で泳いでいました。
それも、1か月前より全然大胆になって。
1か月前はすぐに隠れられていたけれど、今回は隠れずにお客様の前でびしっとポーズしてくれたりして、成長を感じずにはいられませんでした。
まさかクロオビスズメダイの子供に今日も再会できるなんて。やっぱ大きな台風も来なかったし、海もそんなに荒れていないし、穏やかだといいことあるなーと実感。
もうすっかり大きくて、子どもと呼ぶには考えちゃうぐらいのサイズだけれど、体色はまだまだ普通に子供。
身長がぐんぐん伸びて大人のような体格にランドセルを背負っているような小6年生を見ているような感覚ですな。
我が娘も、そんな感じに身長伸びてきたので、イロブダイと重なる部分が多い。
サンゴが豊富だということは、テングカワハギが多いということだ。
ここ数年でこのことは痛切に感じる。
20数年前のサンゴの白化現象で恩納村のダイビングポイントの大半のサンゴは石化してしまった。
信じられないことだけれど、本当に、本当に、本当にサンゴがなくなってしまったことがある。
南の海からこんなにサンゴがなくなってしまって、いったいこの海はどうなっちゃうんだろうか?
ってとても心配になったし、不安しかなかった。
でも、そこから約20年でサンゴいっぱいの海が元に戻ってきた。
いろんな人が声高に言っているけれど、海の回復力は本当に素晴らしい。
浅瀬のサンゴを見てエグジットできるのが普通のことである幸せがいつまでも続きますように。
瀬良垣漁港を利用しましたが、どのボートもお客さんはまばらって感じで夏の瀬良垣漁港の人出からは程遠いです。
2nd dive
2本目はオーバーヘッドロックでした。
水がきれいな方をやっぱチョイスしたくなる。
先にエントリーしたお客様がウミガメと遭遇し、撮影されているところでした。
ミニドリームで深場に潜ったので、オーバーヘッドではそこそこの水深でヘルシーに潜る。
これもセオリー。ダイビングではセオリーが重要です。
それから逸脱すると減圧症になったりはぐれたり、トラブルに巻き込まれてしまう。
なので、ピグミーシーホースでもいないかなーと手近な場所をチェック。
ウミシダが巻き付いていて、コマチコシオリエビがウミシダから離れてイソバナにしがみついていた。
たまには、違うものにしがみつきたくなるよね。
わかるよ、うんうん。
ピグミーシーホースはいないけれど、他の生物はいる。
メインがいないので素通りしても良いのだが、なにかしらいるのなら、それを楽しんじゃうほうがきっと良いはず。
だって、生き物はなんだって、どれだって、どんなものだって、愛おしいのだ。
お客様はデジイチ持ってて、一つのネタに刺さるタイプのダイバーなので、なにかしらのネタを見せれば、その周辺を探る時間が私にはできる。
穴の中をひとつずつ覗いていくのはとても楽しい作業だ。
ウミウシがいたり、コシオリエビがいたり、ウツボがいたり。
今日はシャコの仲間に出会えました。
しかもけっこう大きな穴だったので、撮影も可能だった。
ただしコンデジ限定だね。
デジイチだとストロボが当たらない。リングライトがあれば別なんだろうけれど。
コンデジでも、普通にストロボをONにして光らせても穴の中には届かない。
そーいう場合、小型のライトを持っていたらとても重宝する。
コンデジの下にライトを持ってきて、ストロボはOFFにしてしまう。
ライトの明かりだけを頼りに撮影するのだが、これで撮れる写真が私は大好き。
しっかり体を固定しないと手振れ抜群のブレブレ写真が増産されるのだが、
1.体を固定
2.ゆっくりシャッターを押す
3.ライトをいろんな角度に変えて、穴の中のいろんなところに照射してみる
4.オリンパスのTGシリーズならば顕微鏡モードで穴ギリギリまで接近しライトの明かりの露出だけをカメラが読み取るようにしてみる
すると、東京の地下街にあるバーのトイレから出てきたようなシャコが周囲のネオン街の明かりに照らされて浮かび上がってくるのだ。
まぁー感じ方は人それぞれで、人それぞれの解釈をして、人それぞれに楽しめばいいのだ。
そして途中にあるフトスジイレズミハゼの穴にも寄ってみた。
まだ元気でいてくれたことはとても嬉しかったが、2匹がほとんど隠れなかったことはそれ以上に楽しかったし、いい写真が撮れた。
しかも、穴の奥にあるのは卵かもしれないね。
なんか目が見えているように見える。
美しいハゼだ。
こんなに美しいハゼが、その一生涯のほとんどすべてをこんなちっぽけな穴の中で終えている。
きっちまだ私の知らない美しいこと、楽しいことがこの世の中には山ほどあるのだろう。
貪欲に生きるべし。
水中ライトを照射してもあまり隠れないカサイダルマハゼでした。
やはり夏になると、こーいう輩が増えてくる。
ぜひいつまでもその場所にいてね。
安全停止中はサンゴの隙間を覗いても良いし、スズメダイの子供を探しても良い。
もちろん他のことにあてたって全然かまわない。
だって、海の中ではみんなフリーだからね。
ダンゴオコゼを撮影していたのに、ダンゴオコゼをどかして画面に割り込んできたオオアカホシサンゴガニ。
サンゴの壁に隠れてこちらを見てきます。
それで隠れているつもりなのだろうか?
真栄田岬周辺に続き、瀬良垣でもセダカギンポ子供を発見。
ただしここのは全然撮れない。
エグジット前に深場を眺める。
他船のダイバーたちが潜っていました。
コロナ、早く普通に戻らないかなー。