10月はリピーターさんがロングステイされたのでたくさん潜りました。
そして楽しい出会いもありました。きれいだったー。
今日はいつものリピーターさん。
ポイント
- 晴れ 気温31℃
- 透明度20-25M
- 1st dive 久しぶりにチンヨウジで遊ぶ
- 2nd dive 嬉しい出会い、ミヤビウロコウミウシ発見
1st dive
ハマクマノミ
前回も撮影。
帰宅後、PCの画面で見てイソギンチャクの色が美しいことに気付く。
なので改めて撮ってみた。
うんうん。
シックな感じで、個人的に好きな色合いです。
チンヨウジ
こんな魚、教えてもらわなかったら絶対知りえないよね。
私が初めて知ったのは2012年ごろ、那覇の「ドルフィンキック」のHPに載った写真だったと思う。
こんなのいるんだっ!!!
と、かなりの衝撃でした。
ホストとなるサンゴはアザミサンゴなのですが、
ここのわずかな隙間にこんな魚が隠れているなんて、
当時はまったく知りませんでした。いつでも素通りしてました。
砂辺で探していたら、先に見つけていた那覇のIさんから場所を教えていただけて初対面できました。
その後、いろんなポイントで見つかり、目新しさは消えましたが、変てこりんな生物だという認識は消えません。
そして、探す目が増えるにつれてチンヨウジの仲間も見つかりました。
Bulbonaricus davaoensis
チンヨウジの世界にもいろんな種類がいるようで……。
今までダイビングしかしてこなかったような人生だったけれど、
そんな海の中にさえ知らないことってまだまだいっぱいあるんだなーと謙虚になれた出来事でした。
追記、シューヤジリチンヨウジ
2020/8/7に論文が掲載され、このチンヨウジは和名が付きました。
シュー(沖永良部島の方言で白いという意味) ヤジリ(頭に白い矢の先端のような模様がある) チンヨウジ
沖永良部島で標本が採集されたことにちなんでいるとのことです。
水温28℃
下がらないですね。素晴らしい。
チンアナゴ
こんなところにチンアナゴ?
チンアナゴってたまにそーいう出現の仕方しますよね。
ガイドさんってチンアナゴをよく紹介しますよね? なんで?
答えはシンプル。ガイドしやすいからです
- 姿が魚っぽくないので教えやすい ⇒ 魚を紹介するときは、どれも魚の形をしているのでどれを紹介しているのか伝わらないことが多い
- アナゴという名前が細長い生物を想起させ、お客さんにも姿をイメージしやすい
- 底から体を伸び縮みさせている一風変わった生態
- 水族館でもよく展示されていて人気がある ⇒ ナマの本物を見てみたいという欲求がお客さんにもある
いろんな場所でチンアナゴ見てきたと思うけれど、どこのチンアナゴが一番ガイドしやすかったですか?
そりゃー、水納島の「ポートサイド」だね
水納島にある「ポートサイド」というダイブポイントのチンアナゴは本当に隠れなくて、すぐそばまで行っても、にょろにょろ出てくる。
モルディブで見せるのに息をひそめて苦労していた頃から比べると、
ちょっとありえない……
それぐらい寄れる、撮れるチンアナゴでした。
2nd dive
全然潜れていなかったこのポイント。久しぶりだ。
「ニシキフウライウオがいるよ」と、聞いていたのだがもういなかった。
旅立たれてしまいました。一足遅かったです。
ウミガメがいっぱい
最近の恩納村の海ではウミガメの増加が半端ない。
なぜ増加しているのか? と、問われれば、海の環境が良くなってきたからに尽きる。
サンゴ増える ⇒ 海藻やカイメンも増える ⇒ 海藻やカイメンを食べるウミガメも増える
と、いうわかりやすい連鎖の結果だ。
そしてウミガメが増えるということは、生殖活動も盛んになり、産卵するウミガメも頻繁に見られるようになってきました。
恩納村観光協会のHPからの記事です
[blogcard url="https://www.onnanavi.com/2020/06/08/%E3%82%A6%E3%83%9F%E3%82%AC%E3%83%A1%E3%81%AE%E7%94%A3%E5%8D%B5%E3%81%8C%E7%A2%BA%E8%AA%8D%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%90%E6%8E%B2%E8%BC%89%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%80%91/"]
こちらはホテルムーンビーチ内のビーチにウミガメが卵を産みに来た記事です
[blogcard url="https://home.onnason.kokosil.net/ja/archives/4067"]
恩納村でウミガメの孵化が見れるの?
例年6月ごろがウミガメの産卵シーズンと言えます。
沖縄エコツーリズム推進協議会のサイトに県内でウミガメ保護活動をしている団体が紹介されています。
[blogcard url="http://ecotourism-okinawa.jp/case/?page_id=19"]
ウミガメの産卵シーズンになると、この方たちが睡眠時間を削って海岸をパトロールしウミガメの産卵、孵化をサポートしています。
ビーチでの直火のバーベキューとか安易なごみのポイ捨てなど止めましょう。
孵化の瞬間を見るのはもう眠気との戦いです。
産卵場所は踏まれたりしないよう、ロープなどで保護され、産卵した日付なども書かれている看板も設置されます。
孵化までの日数は50-60日。
つまり……、そろそろかなーというぐらいしか人間にはわからないってことです。
見たい人は、そろそろかなーという時期に産卵場所でただ待つしかありません。
ライトを当ててはいけないし、騒いでもいけない。ただ静かに待つ。
でも、待ったことのある人にしか体験できないこともあり、それはそれで楽しいのですが……、
やはり……、
待ち時間、長いっすー
もちろん、朝まで待って結局その日は孵化しませんでしたーというのが普通です。
それが普通なんです。いつもそんな感じなんです。
だから沖縄滞在の短い旅行者の方にはお勧めできません。
この日のウミガメは特にいっぱい
進めば進むほど待ち受けるウミガメたち。
3個体も一か所にかたまっていました。
コバンザメも大きいね。
ヤッコエイもいたんですが、リピーターさんはマクロ派なのでヤッコエイにはまったく触手が動かない。
ヤッコエイってけっこういろんな人にスルーされてると思います。
ウミガメは見る、マンタやマダラトビエイは見る。でもヤッコエイはスルー。
そんなマクロ派ダイバー多いよね。
いいんですよ。それが趣向です。スルーで大丈夫。
限りある潜水時間、自分の趣味趣向に偏ったダイビングしましょう。
ミヤビウロコウミウシ
そんなワイドなネタばかりだったダイビングで巡り合う至高の一品。
出会いはいつだって突然なものさ。
発見時の状態
写真の状態でいました。岩にくっついてました。
発見してそのまんま撮影。これが最初のカットです。
ウロコ系のウミウシだってことはその瞬間にわかりましたが、正確な名前まではわかりませんでした。
でも、これは、安易に触れてはいけない奴だと悟ってもいました。
ウロコ系のウミウシは自分の大きなミノを自切してしまう種類が多く、何も考えず適当に触ってはいけません。
ゆっくり見ていると、次第に移動していくので、そこで撮影。
すると2個体が身を寄せ合っていたことがやっとこさ判明。
そのうちの1個体を観察。
ウロコ系によくあることだが、どちらが頭かわかりません。
頭の方向を見極めよう
こーいう時は動き出すのを待つのに限ります。
進行方向に頭があるので、よく見ると触角も見えてきます。
触角、見えた!! ウロコの色が……う、美しいぃぃぃぃぃ
なんじゃ、このゴージャスなウミウシはっ!!!
おおおお、腹足の裏側も見せるサービスっぷり。
目も見えましたね
ウロコ系は大きすぎるミノに隠されてしまって、目が見つけにくいんですが、ようやく見えました。
肉眼で見える色彩、模様。
フラッシュライトを当てた時の色彩や模様。
それらのギャップがすごくて、それも魅力のひとつですね、このウミウシは。
ホント、すごいゴージャス!!
ミノだけをアップで撮影してみた。
ウミウシのミノには見えないね。ホヤを想起させる。
その後、元の場所にちゃんと戻しておいたら、10/16までは確認できたようです。
場所を聞いてきた人に教えたら、皆さん「見れましたよー」って教えてくれたので。
今週になって恩納村の海はすっかり荒れてしまったけれど、まだいるのかどうか、今度行ったら確認してきますね。
まとめ
- 透明度は20m。水温はまだ28℃。
- チンヨウジはまだ健在。最初に見つけてから5年以上同じ場所で継続して見られています
- チンアナゴも撮りやすかった
- ウミガメが増加する恩納村の海には理由がある ⇒ サンゴの増加による食べ物の増加、増えたウミガメの産卵行動を保護する村民の行動
- ミヤビウロコウミウシとの出会い 初見のウミウシでとってもゴージャス。美しいウミウシでした